【読了】GELATIN SILVER SESSION 21世紀の銀塩写真
写真集なので「読み終えた」とは違うかもしれないけど。。。
GELATIN SILVER SESSION―21世紀の銀塩写真
Messages From Visitorsより抜粋。
デジタルカメラ → 切り取る、メモる。フィルム → 封じ込める
カバーに掲載されてる写真家さんで言うと、僕は三好耕三さんと蜷川実花さんの作風が大好きだ。
三好さんの「封じ込めた」港町の写真には画面の隅々にいたるまで日本人なら誰もが感じられる懐かしさに溢れているし、蜷川さんの作品が放つ色彩は一目みただけで「あ、蜷川さんの写真だ」とすぐに分かる鮮やかさに溢れている。
で、そのお二人のお名前があったからなんとなく手にとってみたんだけど、どの写真家さんが撮影されたショットも非常に魅力的で奥が深い。
「写真」というものがデジタルカメラの普及で、かつてよりも身近なものになっていることは喜ばしいことだと思う。
だけど原点に帰って「写真とは何か」を考える、あるいは「もっと写真を上手く撮れるにはどうしたらいいか」と考える上でこの一冊はきっと今後の写真ライフに、貴重なアドバイスをたくさんくれるに違いない。
デジタルカメラで写真撮影を楽しんでいる人。
コンパクトデジカメに飽きて、デジイチ購入を考えている人。
そして(僕のように)未だにフィルムで撮影を楽しんでいる人。
全ての「写真を撮るのが好き」という人が一度は是非目にして欲しい写真集だ。
藤井保さんのこの一言が僕はとても印象に残っている。
写真がうまく撮れれば撮れるほど「これはCGですか」と聞かれることが多くなっているのです。そういう時に、これは現実だと言えることはとても大事で、そこに、僕がこの仕事をしている意味があると思っています。現実とフィクションの間で何がリアルなものかが分からなくなっている世の中。これが、幸せなことなのかどうかということを含めてとても疑問を感じているのです。
映画を見ていても、TVを見ていても「どーせこれ、大半がCGでしょ」という先入観をもってしか映像を見られなくなっている昨今だからこそ、それが「幸せ」なのかどうかを再考したい。
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